事件(若草物語)
- 作者: 大岡昇平
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: 文庫
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京セラフィロソフィ 哲学
分厚いです。
だって、フィロソフィですもの。
哲学の書です。
私、普段はしがない雇われ店長でして、
ビジネス書も、わりと読みます。
ちょっとでも、自分に合う方法で、まさにこれならと心を打ち、かつ指針に加えることか出来る部分かないのかと、広大なビジネス書の海を時には彷徨います。(わがままな考えなのは承知しております‥)
今回はお借りしたものなのですが、松下幸之助さんの本を読む機会はいままで何度かあり、また違った感想を抱きました。
まだ1冊目なので、他はどうなのかわからないですが、稲盛さんの、考えや哲学に触れたいのだけれども、その稲盛さんの哲学を後押しするルーツなる、お話や、ブッダや、宗教、そういった箇所もあるので、
やはりこれはフィロソフィなのかなと、読みながら考え至った次第です。
自分の感想を率直に申しあげますと、ヒントや学びには飢えているけども、自分の哲学は自分で得たい、まさに典型的なB型の私には、少しウェルダンな内容で、うぐっ
と、苦しみながら拝読させて頂いた次第です。
(こんな事を感想に書いてしまうと、理解して読んでいないなとお叱りを受けそうですが、確かに拝読いたしました)‥だからそれが、と延々ループが続きそうですので、私の葛藤はさておき。
必要な時に、必要な箇所を読み解く、場合なよっは何度か、その箇所を読み返す、という使い方が正解なのかもしれません。
(たしか、そのような事も書かれていた)
小説の様に、読もうとしたら、最後まで読み通すのに1ヶ月費やしたのでした。
経営のお話や、正しいお商売をすると、シンプルでロジカルな部分はなるほどなと、読みやすいところも多かったです。
- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2014/06/04
- メディア: 単行本
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かたづの!
良かった‥
こんな歴史小説もあるのかと、思ったし、読めて良かった。
愛があるのは、語り手がねねさまの事を、愛しているからだと思うのですが、
それが人ではない視線から見るので、重苦しくなり過ぎず、率直で素直な様子が可愛く感じてしまう時もあり、時として、その感性に悩む様子もあり‥。
時折挟まれるかたづのの羚羊としての営みが、のびのびと、種差の砂浜や野山を駆け回り、妻を愛して、と生きる様が‥なんと美しいのかと。
儚さと、煌めきが織り込まれて、本筋とは違うところでなんとも言えない、胸の震えをを覚えた。岩手のあの美しい景色が目に浮かぶ。
手塚治虫の漫画や、銀河鉄道の夜の様な、人ではないものの世界観から人の世を見る不思議。
それが、実際の出来事とその世界の出来ごとと、上手く当てはめられて、おもしろく、楽しめる。
個人的に、岩手に旅行をした機会があり、
私は関西に在住だが、あのなんとも言えない浪漫が漂う、みちのく。
また行きたい!次は、遠野だな!と心に決めた作品でした。
- 作者: 中島京子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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教団X
まず最初に‥
ミステリーとか、エンターテイメントとか、思って読んだら全然違いました。
砂の王国
神の子は皆踊る
こんなかんじなのかな?と思って(上記2作も、フィクションとノンフィクションでまたテイストが違うのですが‥)
読み始めて、性描写が多いので、あれ?なんかおかしい?
開始100ページ目辺りでこの慣れない内容に我慢できなくり、教団Xを検索。
あ、そういうことか、これ、純文学というものかのか‥。
私の、数少ない純文学、実績にねじまき鳥クロニクル、(←おもしろかった)がある。
いや〜。そういう事なら、ちゃんと帯に書いて欲しかったな〜。(そういう訳にもいかないでしょうけど)
不可解なまま3/1は過ぎてしまったけど以降、納得の上で読み進めると、読みやすくなった。
ただ、後半は、謎めいて書かれていたところもかなり暴かれるし、割と展開も早く、じっさい色んな人が目的を持って動き出すので、普段読むようなエンターテイメント小説のような感覚で読めた。
つまり、前半は教祖様のお話し(斜め読み)や、教団の日常?な話題になり状況の概要描写のようで、後半は色々説明をしたし、より個人に焦点があたりお話しが動き始める。
公安が出ると急に胡散臭さが増すのは、不思議だな〜。なんでもボックス的な。
警察小説とかで出てくるのは好きです!
若い登場人物達は、自分を否定したり、息苦しさを感じながら、生きていて、何者を読んだ時の様な、苦しさを覚えた。
正しい、正しくないは置いておいて、色狂いが一番、最後の主張で光ってた。一番、自分に正直な言葉で生きてた。
作中一番の清涼感だったと思う。
からくりサーカスのフェイスレスのような爽快さ。信じれば夢は叶う!‥的な。
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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黄砂の籠城
進撃は1冊で、籠城は上下の2冊。
さて、今回は柴五郎中佐と一緒に行動した、櫻井伍長の視点で書かれる籠城側の話。
(厳密にいうと一緒に行動したとかではないのだけど‥)
最初に、ひとつだけ気になることが。
文中にある、日本人として生まれ、育つこと、連綿と繋がった文化とDNA?に自信をもてと。
培って来たものを大切にして。
そんな表現があり、登場人物が語る分には気にならないけど、その他の部分でそう言った言葉が出てくるとちょっと気になった。
この作品を読んだら、そこは充分伝わってくる。
なので、別に書かなくてもいいんじゃないかな〜。と。
近ごろ、こういうお話での、このような文句が溢れているからかもしれない。
それ以外はもう、ほんとうに良かった。
史実、人物に忠実にある程度書かれている?ので、なにも余計な事を言う必要がなく、それぞれの切実さが伝わってくるし、そこから感じとることもできる。
ほんとうに死んでしまうかもしれない、追い込まれた時に、なにが出来るか、なんのために動くことが出来るのか。
その不屈な姿勢はなにから生まれるのか、登場する人々全てを語り、見せる。(おもに柴五郎)
ほんとにここぞいまピンチというところで、さっそうと登場して、さらっとこなす柴五郎は櫻井伍長でなくても、惚れる。(そう書いてるのかな?‥過剰なくらい、かっこいいですよ。褒めてます。)
生い立ちや経験してきたこと、文化もあるかもしれないけども、それをいなし、ただしく発露出来るかはそのひとのちから。ただそれだけだと思う。
その勁さは、どのようにして、養うことが出来るのだろう。
この極限の状態で、自分の為だけではなく、誰かのために選択をされた、全ての方々に敬意を抱かずにはいられません。
- 作者: 松岡圭祐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/04/14
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主に警官と戦艦 佐々木譲
いっしん虎徹
花鳥の夢も読んだが、いっしん虎徹について今回は書く。
花鳥の夢の狩野さんは、かなりモヤモヤさせられましたが、こちらは虎徹の性格なのか、モヤモヤが少なく読みやすかった。
でも、それは興里の性格とかよりも、奥さん(ゆき)の存在が大きく、お話の中でも、お話の読みやすさ的にも、いい仕事をされてます。
今回も例によって、いっしんな職人さんならではの、苦悩はもちろんあり、書かれてはいるのだけど、ゆきの透明感が全体に爽やかさと、興里の人らしさを感じられる要素になっていて、読後感が軽くなった(非常に良い意味で)
いろんな、彼女と虎徹とのシーンがあるけども、それ以上に、最後のシンプルな一文が泣けた。
つまりこれは、私にとっては、虎徹が一振りに到達する事が主題なのではなく、虎徹とゆきのお話だったのだと思う。
- 作者: 山本兼一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10/09
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