事件(若草物語)


巻頭に宮部みゆきのエッセイ付きバージョン。
(3回に渡って出ていて、その度に加筆、修正されているとの事。巻末のあとがきより)
宮部みゆきがそう言ってるだけで、そうなのかという説得力。さすがです。


それもそのはず、丁寧に、緻密に、裁判のあれこれが書かれているのだ。
都会にそう遠くない町で起こった事件で、その裁判の様子をドキュメンタリーの様な視点で話進んで行く。

検察、裁判官、弁護士、被告人、証人、‥あれこれ、裁判に関わる人々を第3者目線、(ナレーションの様な)で、仕組みや段取りの説明なども交えて進めて行く。

最初は、その訥々とした書き方に慣れず、このまま淡々と話が進んで行くのなら、最後まで読めないかもしれないと、ひやひやしていた。
この丁寧さでないと、出来ないことがあるんだなと、関心したわけです。
↓こんな感じ。
(ネタバレがやんわり含まれます、)







うう〜。ちょっと読むのしんどいかも。(昔っぽい感じもあるし‥)淡々とし過ぎて、この分厚さでこれで最後までいくの‥?不安。
え、ちょっと、ちょっと、そうなの?!
え、もう少し読んでおきたいけど、休憩時間終わるで!?気になりすぎて、手がとまらへんで‥!
ああっ  はやく仕事おわれ〜っ
さっき、あんなことがあったし、また最後になんかあるかも、このまま終わるの??!
‥いろいろ、不安しか残らへんやん‥?



って感じでした。
読んでる途中は、やはり菊池弁護士と宏に感情移入するので、希望のある終わりを期待してしまう。
ただ、これは事件なのだから、

何日か経って思うのは、それだけの事をしたので、それは一生ついて回り、ひたすらに、答えをだせないことが、答えなのかとも思う。
どの様に、共存して行くか、かな。もう、答えてくれる人がいなくなってしまったのだから。

事件 (創元推理文庫)

事件 (創元推理文庫)