かたづの!
良かった‥
こんな歴史小説もあるのかと、思ったし、読めて良かった。
愛があるのは、語り手がねねさまの事を、愛しているからだと思うのですが、
それが人ではない視線から見るので、重苦しくなり過ぎず、率直で素直な様子が可愛く感じてしまう時もあり、時として、その感性に悩む様子もあり‥。
時折挟まれるかたづのの羚羊としての営みが、のびのびと、種差の砂浜や野山を駆け回り、妻を愛して、と生きる様が‥なんと美しいのかと。
儚さと、煌めきが織り込まれて、本筋とは違うところでなんとも言えない、胸の震えをを覚えた。岩手のあの美しい景色が目に浮かぶ。
手塚治虫の漫画や、銀河鉄道の夜の様な、人ではないものの世界観から人の世を見る不思議。
それが、実際の出来事とその世界の出来ごとと、上手く当てはめられて、おもしろく、楽しめる。
個人的に、岩手に旅行をした機会があり、
私は関西に在住だが、あのなんとも言えない浪漫が漂う、みちのく。
また行きたい!次は、遠野だな!と心に決めた作品でした。
- 作者: 中島京子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/06/22
- メディア: 文庫
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