イモータル(不滅の書)



若い頃に手を出して、断念した本。
近くの本屋さんのお勧めコメントがあり、平積みされてた。

こういった、難しい本は滅多に手に取らないけども、
読んでみたいと思わせる、絶妙な帯と、カバー裏の紹介文。
こちらにつられる訳です。
'救い''救済'私が知りたいのはこれに尽きます。
(たぶん、そもそもの読み方を間違えてる気がする。)


パリの学者
古代文明の皇子様
サラリーマン

‥3つの主観でお話が構成されるのですが、以前はパリの学者で、挫折。
意図的なのだと思うのだけど、3人とも他者に対して、内気なんです。なんというか、世界が変わるのを待ってるようにみえる。。
そして状況は、より良くない方に、変わっていく。
読んでいて、いちばん読み進め辛いのは、この点に尽きると、3度めで、ようやく気づいた。


パリの学者先生の部は、やっと終わったかと思ったら、後でまた出てくる。
皇子もどんどん追い込まれるし、‥つらい。
サラリーマンも、相変わらず、すり減っている。


現実世界、実生活部分で、強かな一歩を、踏みしめてほしい!‥って気持ちでいっぱいになりながら、最後まで、読みきった。
智慧の書については、のめり込んでで挑んでいるのに‥。それが核なのだから、そうなのだけど。

サラリーマン編で、ついそういう気持ちになってしまう‥。
それに、奥様や、家族、側にいる人がつらい。それでは、つらいのです。
我慢しろといわれたら、それまでですが。
(エンタメ小説ではないと言われたらそれまでですし、私は歴史にも、哲学にも疎く、楽しみ方はやはりひと同士の営みに、向いてしまうわけで‥)

自分自身の、魂の救済に、愛する人や家族も、おざなりにする事なく、上昇する事ができるのか。ということ。
自分に向き合うべきは、もちろん自分自身だけども、この世で、誰とも繋がりを持たない、なんて事はなく、愛するひとの存在は、外側で関係ないことなんかではないと思うのだけど。


‥この小説から話がそれ過ぎた。
そして、私の思考は、テーマとは別の読感をたどり、

‥何が残ったか‥、
こぼれ落ちそうなくらい、満点の星空のイメージと、お兄さんのことだった。

イモータル (中公文庫)

イモータル (中公文庫)