天地に燦たり

本格歴史小説

普段、単行本はあまり手に取らないのだけど、こちらは縁あって発売日に購入。

最初はがっちがちの硬い感じなのかと思ったし、またもや最後まで読めるのか不安がよぎったけど、このお話は主人公が3人いて、いろんなことが、次から次へとどんどん動いていくのだ。明鍾がでてきたあたりからページをめくる手がとまらなくなっていた。
泗川の闘いでは手に汗がじんわり。

歴史の流れの中にいるのだから、怒涛の展開、それは当然なのかもしれないけれど、
私には、それが歴史小説の醍醐味。

その流れのなかで流れに巻かれながらも、負けないくらいの勁さで、足を踏ん張って、がんばっているひとたちの話だと思う。

それが、3にんぶん。

真摯に生きることは、どんな時代でも、もちろん今でも、苦労の形は違えど、困難なものだと思う。
ほんとに、とても。
それでも、そうすることで、ひとがきらめく姿が、まさに、燦たりであるなと、最後に表紙に戻りつつ、感じ入ったわけです。


沖縄の抜ける様な青空、そこに佇む守礼門
記憶のその景色を思い出すだけでも、いまはじんわりしてまう。
覚えていた景色の、価値が変わる、見方が変わる、
そんな読書体験でした。ありがとうって言いたい。



最後に。
表紙カバーを外すと、沖縄のびんがたがいちめんに印刷されてます。にくい演出だな〜。

天地に燦たり

天地に燦たり