黄砂の進撃

黄砂の進撃、もちろん籠城も読むつもり満々でまずはこちらから。


流を読んでから大陸の歴史物にも興味が出だした。‥正確に言うと、蒼穹の昴を読んだ時からちょっと潜んでいた‥。

歴史にも詳しくないし、正しい知識もないので、全くの読書感想文になることは、見ての通りです。

ただ、圧倒的な意思の大きな渦が起こす、流れや勢いというのはまさに龍と言い得て妙で、中国という国はすごい力を持った国だというのが感じられるお話でした。


義和団事件について、義和団側からの視点で書かれている。

書かれている人物は史実や実際にいた人ですとの記載があり、それにより面白みが増していると思う。

公使側の中心人物として柴五郎が登場。合間合間にしか出てこないが、ほんと少しの登場なのに彼の存在感の大きさが異常。(私は、柴五郎が何者なのかこの時点でまったくわかってませんでした。)読中も読後も人物として気になってしまうのは書き方が上手いのか‥柴五郎のせいなのか‥。


同じ事が日本で起こったとしたら、と考えたりもしたが、このようになると想像はしかねた。

やはり、中国の、文中にもあるけれども、漢民族のなせる大きなうねりなのかと思い至ると、文化や人となりの違いは大きなものだと大変感慨深く、またその違いに新鮮味をも持って読む事が出来た。


作中で、主人公が(張)義和団のリーダーではなくなった時、李と話した内容が心に残った。


黄砂の進撃 (講談社文庫)

黄砂の進撃 (講談社文庫)